愛国心を教へない教師は戦争犯罪人

君は「愛国心を教へない教師は、世界中で日本のアホ教師だけ」といふ、乱暴なタイトルの記事の中で、「愛国心教育が必要だといふことに理由などない。」と、決め付けてゐた。君のその気持ちは分からないではないが、「理由はない。いらない。」と決め付けてしまふと、問答無用といふことになってしまふ。それは理性的判断にふたをするものだ。だから、もっと冷静に「愛国心教育」を論じるべきだと思ふ。



それはさうだ。君の言ふことは正しい。だが、冷静さを失ひ、理性的判断にふたをしてきたのは、愛国心教育反対の教師・学者・政治家たちの方だ。



なぜ、そんな風に決め付けられるのだ。



決め付けてゐるのではない。さうだからさうなのだ。たとへば君は、愛国心や愛国心教育の長所を考へたことがあるか。



いや、さう言われると………、ない。



さうだらう。無いだらう。しかし君、理性的に愛国心や愛国心教育を考へるといふことは、少なくとも愛国心や愛国心教育の長所と短所の両方を見ながら考へを進めるといふことだ。だから、僕にむかって、「もっと冷静に、もっと理性的に愛国心や愛国心教育を論じろ。」と言った君の方が、先入観にとらわれて考へ論じてゐるのだ。そして、その君に、「もっと理性的になりなさい。愛国心の長所も調べてから論じなさい。」と説教した愛国心反対論者が一人でも居たか。僕は一度も見たことが無い。また、最近のブログ記事には「愛国心」を論じた内容の記事が多いが、ほとんどが一方的な前提から単なる独断と偏見を呟いてゐるだけの文章で、たまに両者を冷静に論じてゐるものがあるかと思うと、結局は、学者ぶった責任回避の、しかも本音を隠したやうな文章ばかりだ。



君は偉さうに言ふが、それならば、君は、愛国心や愛国心教育にどのやうな長所と短所があるか、僕に説明できるのか。両方とも、冷静に、理性的に説明したまへ。



よろしい。ご下命があったから、両方同時に説明しよう。最初に愛国心の短所、つぎに長所だ。

1、愛国心教育が政治家の道具となってしまふ。たとへば、愛国心高揚により国民内部の不満をもみ消したり、外国に仮想敵国を作って国内の反体制エネルギーを敵国憎悪のエネルギーに転換させ、それによって権力の維持存続をはかる。場合によっては、国内の敵対勢力を倒すために、自分の敵勢力を国の敵だとレッテルを貼り、国民の愛国心に訴へて敵勢力を亡ぼすことにも使はれる。前者については、現在の北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国が最高のお手本を見せてくれてゐる。後者については、中国・中華人民共和国や旧ソ連などの権力闘争の歴史がドロドロしたお手本を見せてくれてゐる。
しかし一方、祖国が外国に不当に侵略された時、国民の愛国心や愛国心教育が、外国の侵略を跳ね返すための自然発生的な、しかも最大のエネルギー源になる。実例はソ連に侵略されたポーランドが見せてくれてゐる。



2、愛国心や愛国心教育は、排外的思想や自国最高主義を高揚させることがあり、それが戦争遂行、さらに外国侵略を後押しすることがある。実例として、日本の過去の一時期を強調する某教職員組合や大新聞社があるが、やはり長年の実績で中国共産党が相応しく、また北朝鮮指導部が最高である。
しかし一方、愛国心や愛国心教育が、無用の殺戮や戦争を未然に防ぐことがある。



3、愛国心や愛国心教育が、個人の自由な発言や科学研究を抑圧することがある。実例としては、韓国社会の、特に韓国メディアの日本に関する言論封殺が身近なものだが、規模において中国共産党に、また純粋さにおいて北朝鮮に及ばない。
しかし一方、愛国心や愛国心教育が、個人の思想の発展や科学研究を後押しすることも多い。つまり、自分の国の名誉を背負ひ、その結果、みごとな科学研究・思想深化をなしとげる人も多い。最近、ES細胞開発で世界的に有名になった韓国の黄(ファン)教授とその支援者たちは、この長所と短所を同時に見せてくれた。


4、一つの民族や国家が外国からの干渉などによって複数の民族や国家に分裂した場合、分裂期間が長くなると、それぞれの民族・国家の愛国心や愛国心教育が、もとの一つの民族・国家に再結合することを妨げる大きな要因となる。アフリカ諸国が抱へてゐる多くの悩みのうちの一つが、これである。
しかし一方、愛国心や愛国心教育の仕方によっては、分裂した民族や国家を元の民族・国家に再結合することも可能である。



………まだあるのか。もういいよ。大体、君の言い分は認めるが、今の2番目の、「愛国心や愛国心教育が、無用の殺戮や戦争を未然に防ぐことがある。」といふのは、どういふことだ。また、なぜ君はここだけ実例を示さなかったのか。実例を提示してくれないと、よく分からないではないか。



突然君に実例を語っても、君が急には理解できないかもしれないし、さうかと言って理屈で説明すると長くなるから、どちらも言わなかった。実例や説明がないのではない。



また、君は無礼な事を言ふ。僕が理解できるかできないかは、言ってもらはなければ分からないではないか。理屈でも実例でも、さっさと言ひたまへ。



それはさうだ。ごもっとも。………愛国心を持った人間は外国へ旅行に行っても、街を汚す・規則を守らないなどの悪い行為をしたくなったときに、「祖国の恥になることは、するまい」と思って慎むことができるが、愛国心を持っていない人間には、そのブレーキがかからないから簡単に悪い行為をしてしまふ。たとへば、日清・日露戦争の時の日本軍は強かったが、捕虜を不当に虐待するやうなことはほとんどなく、当時の欧米の新聞で讃えられたほどだった。一方、清国やロシアの軍隊に褒められない行ひがあったのは事実だ。当時の一般の日本人も、日本軍が清国やロシアに軍事的に勝利しただけでなく、そのやうに普遍的な(世界性を持った)道徳性でも勝利したことで日本軍を讃えた。日露戦争で、勝った乃木将軍が負けたステッセル将軍を丁重にもてなして、ステッセルを感激させたのは有名な話だ。もっとも、反日左翼・日○組の教育をうけた現在の若者は、さういふことを習ってゐないだらうが。………

 

………また、ついでに触れておくと、そのころ、田中正造といふ人が日本にゐた。この人は足尾銅山鉱毒事件を解決するために活躍した人で、一生の間、反明治政府の立場を貫いた人だ。だから決して権力側の人ではない。また、この人は日露戦争の時、日露両国の戦争開始に反対だった。しかし、田中正造は、日清・日露の両戦争で日本軍が軍として立派に戦った事を讃へ、さらにそれ以上に、「清国軍が、捕虜となった日本兵を虐待したのに、日本軍が国際法を遵守し、敵国の捕虜を虐待せず、敵国の女子供を犯さなかったのは立派である。日露戦争の日本軍も同じである。」と、日記の中で感激をこめて日本軍人を讃へてゐる。しかも、このころ田中正造は、「明治天皇は鉱毒事件解決のために何もしない。天皇は鉱毒事件の共犯者である。」とまで言って、明治天皇を批判する日記を書いてもゐる。だから、彼の日本軍讃美は政治権力とも関係なく、尊王論とも直接の関係はなく、純粋に愛国心の発露だったのだ。だから、このころの日本人にとって、愛国心つまり日本を愛するといふことは、偏狭な国粋主義になることではなく、逆に世界に通用する倫理道徳を身につける教養だったのだ。このやうな愛国心の論理と心理は、「愛国心イコール国粋主義イコール軍国主義」といふ未検証の観念に凝り固まって、いつまでたってもそこから出ようとしない者には理解できないものだ。ここまでご不満はないか。



突然さういふ実例を出されても、どう考へたらよいのか少々迷ふが、今の田中正造の話は本当か?



本当だ。僕は20年かけて田中正造の思想の研究をして、『理想国日本の追求者・田中正造の思想』(近代文芸社)といふ本を2001年に出した。出版元には在庫が無いはずだが、僕の自宅にかなり余ってゐるから、本当に読んでくれる人がゐるならば、誰であっても、送料も含め無料で郵送・贈呈する。僕のパソコンに、郵送先と氏名を書き込んで送信してくれたら、本当に無料で郵送する。僕のメールアドレスは、
wasureta@oshimai.yahho.ne.jp
だ。



随分、太っ腹だな。



もともと自費出版だ。以前、出したい旨を語ってくれた出版社も数社あったが、結局、採算上の理由で、すべて断られた。その時点で、損は覚悟の上だ。………そのかはり、読んでくれた人には批判や感想を希望する。もしも、読んでないならば、その人には書籍代と郵送代を手間賃を請求する。法的に請求できなくとも、道義的に請求する。もっとも、感想は簡単なもので結構だし、同書の所論に対する批判でも構はない。いや、その方が有り難い。ただ、自慢めいたことを言ふやうだが、この本は、岩波書店の『亡国への抗論・田中正造未発表書簡集』といふ専門書が、注目すべき一冊として批評してくれた本だ。(p258)生半可な内容ではない。



君も変はった男だ。………それにしても、自宅の本が無くなったあとに、郵送希望者が出たら、どうするつもりだ。



どうせ再版されることはないだらうから、出版元の内諾を得て、このブログ上に同じものを公開する。再版予定がないのならば、出版元の内諾も必要がないやうな気もするが、一応、ジェントルマンで行くつもりだ。



もしも、出版元が「NO」と言ったら、どうするつもりだ。



近代文芸社は、僕がお付き合いした限り、極めて良心的な出版社だから、それは無い。ないと思ふ。………しかし、万一、どこかの出版社が、再版予定も無いのに「NO」と言ったら、それは、出版社が文化の発展を妨げてゐるのだから、そのやうな出版社の名に値しない出版風土とは、断固戦ふ。それが無名貧弱であっても、文化の立場に立つ者の最低限の心構へだらう。
        ※ 近代文芸社の在庫が尽きたので、同社の了解を得てweb上に同内容をアップしました。
           『こちら』をクリックすれば、御覧になれます。



変人ジェントルマンだな。………それにしても、話がずれた。さきほど君が言った、「世界に通用する倫理道徳を身につける教養としての愛国心」の存在は、今は一応認めておくよ。それで、だからどうなると、君は言ひたいのか。



認めてくれて、ありがたう。それでは、先ほどの実例を逆に言ふと、愛国心を教へられずに、祖国への誇りも責任も感謝の心も持ってゐない日本人は、戦争に勝利したあと、敵国の捕虜を虐待し、女子供を犯しやすいものなのだ。君は、「日本の若者が人類愛を習ってゐるならば大丈夫だ。敵国の女子供を虐待しない。」と言ふかもしれないが、それは現実を見ない者の意見だ。大体、命がけの戦闘に勝利して軍人の気が緩んだ時、たまたま目の前に敵国の女が居ると、男といふものは生命保存の本能的衝動から、相手が60歳の婆さんであっても陵辱してしまふさうだ。それを押さへて、………たとへ目の前に無抵抗の敵国美女がゐても乱暴しないといふ抑制力は、より身近な「祖国の名誉と誇り」から出るのであって、遠く抽象的な「世界人類への愛」から出るのではない。だから、愛国心を教へない学校教師は戦争犯罪人育成者であり、本人自身が戦争犯罪加担者なのだ。僕は冗談で言ってゐるのではない。


平成22年(2002)9月3日一部変更
 




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